昭和十八年頃貧しくて着物も買えなかった時節、母の叔母が東京に住んで
居て私の七ツ祝いのために買って下さった着物が唯一の自慢でした。品物のな
かった時代・・・。成人式の時はこの着物を大きな元禄袖に自分で縫い直して
出たこと、他人にほめられて嬉しかったこと、今でもよく覚えています。嫁ぐ時にも
宝物の様にして持って来た着物でした。
時代が移り変わり、日本舞踊を始め、新しい着物を買えるゆとりができた頃に
いしげさんと出会いました。思い出の品を新しい物と替えてみませんか、という石
毛さんの企画に応じて生まれ変わった着物。これが又一生の宝物にする程の
「お気に入り」です。
もう十年近く前になるでしょうか、この着物を着て友人の息子の結婚式に出ま
した。しあわせ酒を踊り、「奇麗な着物で踊った人」と周囲の人に言われたことを
今でも幸せに思います。これからもゆとりと自身を持って着物を愛していきたいと
思います。
伝統のきものいしげ様
一二〇周年おめでとうございます。