子供の頃、大正生まれの母に、お正月は晴着、夏はゆかた、病気などの時も
、何かある度に着物を着せられ育ちました。気がつくと私も娘達を、母がしてくれ
たようにして育ててきました。四十代の頃に母の一番好きだった薄紫色の着物
を形見にもらい、十年たってやっと似合うようになりました。うれしい気持ちでいっ
ぱいです。娘達もやがて母親になり、今は子育てに忙しくて関心がないけど、い
つか年を重ねて、育った頃を思い出し、私の好きな着物に袖を通してくれたらい
いなぁと思って大切にしています。
私が着物と係わることになったのは、長女の成人式からでした。それまで呉服屋
は、高級で一生縁のないところと思っていたので、お店の前を通っても覗くことさ
えなかったのです。石毛呉服店に初めて行ったのが昭和六十四年春、晴着を
作る為でした。
それから祝事、仏事などある度に、出席する着物、帯、小物などのアドバイスし
ていただき、気軽にお店に行けるようになりました。おかげで着物の美しさ、豪華
さ、やさしさなど少し知り、着る楽しさも教えてもらっています。