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今日は一日早い成人式でした。
一生に一度の華やかな成人式も裏方ではいろいろなドラマが生まれます。
私たちは式に合わせヘアメイクや着付けをスケジュールしていきます。
私たちにとっては毎年の出来事でもご本人にとっては一生に一度。絶対に失敗のできないイベントです。

朝4時起床。それでもご本人たちはヘアメイクもあるので3時起き、あるいは寝ない人もいるかもしれません。
そして、まず着付け。
当日は着付けに必要なものも数多くあるので一点不足でも着付けに支障をきたします。
こんなところが着物を着るのが億劫になり、敬遠される理由なのでしょうね。
でもその面倒くささが日本女性としてのたしなみと精神を形作るのだと思っています。
そんなわけで欠品チェックは怠れません。
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すべてが揃って着付けの時間割が組まれ、順次着付けが始まります。
着付け
それでも当日まで肌着やタオルなどをお持ちにならない方もいますので、必ず予備やスペアーを用意します。
準備を怠ると咄嗟の出来事に対応できなくなります。すべて想定内にしようと思っても人間のすることですから、どこか抜けている場合もあります。問題はトラブルを起こす心配するより、起こったときにどのように対応するかにかかってきます。
トラブルの種類
・予定の時間まで来てくれないお客様。
・袖から長襦袢が飛び出す。
・着崩れ
・着用後のトイレ
・着付けと仕立てのフィット感
など数えるとまだまだ出てくるのですが、毎年反省会を開いてトラブルを起こさない方法を試行錯誤します。
ちなみに当店は、お客様=着付け技術者が必ず分かるように表にして、トラブルが発生してもすぐ原因を突き止められるようにしています。

早朝から飲まず食わずでやっていると終わる頃には相当お腹もすいてきます。
毎年終わってからスタッフ全員でコンビ二で買ったおにぎりや味噌汁で遅い朝食を迎えます。
今年は、対象者のお父様(割烹料理店店主)から素晴らしい差し入れが届きました。
ヒラメのお寿司です。
差し入れ
ご自分のお嬢様のことで忙しいはずなのに我々スタッフにこんな心遣いをしていただきました。タイムリー過ぎて感謝に絶えません。
ありがとうございました。我々のモチベーションもぐんぐん上がってきます。

正式には明日1/13が成人式ですが、場所によっては明日がメイン。
当店は一日早く皆さまを無事に送り出すことができました。

バンザーイ!!おめでとうございまーす!

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本来成人式は20歳になった若者(男女)が大人になったことをお祝いする所謂通過儀礼になっている。
昔の元服と全く同一ではないが、かなり意味が近いものがある。
ウィキぺディアによると元服とは?----------------------
江戸時代以降は女性も元服と称し、結婚と同時に、未婚でも18 - 20歳くらいで行った。女性で元服という場合は、地味な着物を着て、日本髪の髪形を丸髷、両輪、又は先笄に替え、元服前より更に厚化粧になり、鉄漿親(かねおや)によりお歯黒を付けてもらい、引眉する。お歯黒を付けるが引眉しない場合は半元服と呼ばれた。半元服の習慣は現在でも祇園の舞妓、嶋原の太夫等、一部の花街に残る。
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こんな考えからすると、ご家族を含め、娘が成人したことを知り合いや親戚にある意味お披露目するということも必要だと考えるのは当たり前の考え方のような気もするのだが。
「娘がお陰さまで成人しました」とご挨拶をしながら家を回り、その際、内祝い品として赤飯などを配ったりする慣わしが記憶に強く残っていたりする。
田崎様家族写真
今朝、シャッターを開けたら開口一番。お隣のカステラ専門店のご主人。
お宅では成人式はどう?
何のことだか分からず、よく聞いてみると話はこうだ。
もちろん赤飯も注文によって作ってはいたが注文が少なすぎると赤飯を無駄に炊かなくてはならず無駄になるので、お断りすることもあったが、メインのカステラは毎年必ずそこそこの注文がありお客様もそのカステラを配っていたようなのですが、
彼曰く「創業以来初めて注文がゼロだった」という。

異業種なのであまり気にも留めていなかったのだが、お菓子屋さんにも成人式の商売があるのだと初めて気がついた。

日本人の端くれとしては、通過儀礼を大切にしないと日本の文化が消えていってしまいそうな気がする。
文化が消えるとどうなるか?
面倒くさいことは一切やらず、便利で早くて簡単に済むことだけに集中して、奥行きのない、巾の狭い、味気のない世の中になってしまうのでしょうね。