地中海式食事法とはギリシャなど地中海沿岸地域に暮らす人々の食事の特徴を採り入れた食事法で「ユネスコ無形文化遺遺産」に登録されています。
その食事法の特徴は、主に野菜、豆類、フルーツを中心にパンなどの穀物類、低脂肪の乳製品、魚介類や肉類、それらをたっぷり使われる高品質のオリーブオイル、適度なワインなどバランスの良い食事法で9000年もの歴史があります。
伝統的な食生活を送るギリシャ人は死亡率が低いことやその地中海式ダイエットを実践した人々の心疾患の減少が見られたことなどから関心が高まってきています。
ダイエットという言葉は、現在では痩せるための食事、とか減量する意味に多く使われていますが、ギリシャ語のdieta(生活様式、生き方)からきているようです。
地中海式ダイエット
1、野菜、果物、穀物など植物性食品を豊富に摂取
2、脂肪源としては飽和脂肪酸を避け、高品質のオリーブオイルを日常的に使う
3、魚介類を習慣的に摂取する
4、低脂肪の乳製品を適量に摂取し、肉類は控えめにする
5、食事中に適量のアルコールを定期的に摂取(食事と一緒にワインなど)
6、毎日の適度な身体活動を欠かさない
以上が地中海ダイエットのポイントです。
それではなぜ地中海ダイエットが長生きの秘訣なのか?
「テロメアが長くなる」から
テロメアは、染色体の末端を保護する役割を担い、その長さと長寿の関係が数々の先行研究で示されています(過去記事)。誰しも加齢に伴って短くなりますが、糖分の多い飲み物の摂取や喫煙、ストレス、うつ病、活性酸素による酸化や炎症でも短縮することが分かってきました。逆に、より長いテロメアは、低い体重指数や健康的な食事、身体活動など、健康的なライフスタイルとの関連が報告されています。
ハーバード公衆衛生大学院が女性看護師12万1700人を対象に1976年より今も続く追跡研究により検証された結果
地中海式ダイエットの評価点数が高いほど、テロメアは大幅に長い状態が保たれていることが分かりました。逆に、点数が1点減るごとに、テロメアの短縮、つまり老化は平均1.5年分進みました。評価が3点減れば平均4.5年の老化に相当しますが、この数字は、非喫煙者に対する喫煙者の老化の進み具合=4.6年や、身体活動の多い女性に対する少ない女性の老化=4.4年、恐怖症や不安障害の程度が弱い女性と強い女性の老化の差=6年に匹敵します。
以上、今回の研究により、地中海式ダイエットがテロメアの長さに関与し、長寿を促すことが示されました
地中海式ダイエットは長生きの秘訣(大西睦子)より
https://www.huffingtonpost.jp/robust-health/mediterranean-diet_b_6666364.html
そして地中海式ダイエットを実践するにあたりオリーブオイルは血管を若くし心臓病リスクの低減などの効果があるといわれていますが酸化したしたオリーブオイルは逆効果となるようです。
エキストラバージンオイルは日本ではどの瓶を見ても表記されていますが、本来国際基準ではオリーブの実だけを原料とした未精油の油で酸化、その他の欠陥のないものを「エキストラバージン」を使用できることになっています。国際的には大変厳しい基準があります。
日本のオリーブオイル事情はその規格は「オリーブの果肉から採取した油であって、食用に適するように処理したもの」という大まかな基準のようです。
やたらと多い「エキストラバージン」というラベルは日本独自の規格によるものだったのです。
地中海ダイエットを実践して病気にならない長生きの体を作るのは摂取する油に特に気を遣う必要がありそうです。
体にいいオリーブオイルとは
1、オリーブの実だけを使った未精油のもの
2、酸化や老化していないもの
3、熟しすぎたオリーブを使用していないもの
4、加熱や貯蔵によって劣化していないもの
のポイントをチェックして選ぶべきですね。