桜のピークが過ぎるとおしゃれチェーンの十日町産地訪問が始まります。十日町の組合の方々はおしゃれチェーンの皆さまが来ると春になるという位置づけのようです。
今年も十日町織物工業協同組合主催の求評会が開催され、新しい作品を見てきました。この会を見ると十日町産地がどのように作品作りに努力されているかを覗うことが出来ます。
懇親会の挨拶でもお話させて頂きましたが、我々の扱う商品は長い伝統の中で作られて来たものが多く、誰かの発明によって生まれた商品を扱っているわけではありません。長い間いろいろな人の目に触れ改善されて作り上げられて来たものを扱っているわけです。
「最近の商売のやり方は、企画中心で動いて行く傾向にあります。でも最終的に大事なことは商品そのものであると心得て取り組んで行きたいものです。」と十日町に来て、染工場見学や産地の生産者の方々とお話していて思ったワケです。
さて話は変りますが、
今話題の小保方晴子さんのSTAP細胞の論文についての理化学研究所の一連の報道を見ていて思うのですが、謎の多い事件だと思っています。IPS細胞研究所所長の中山伸弥氏はSTAP細胞が登場した時の驚きを、野球に例えて表現した。「iPSは小学1年生なのに遠投で100メートル投げたすごいやつ。そんなすごいのは二度と出てこないと思っていたら、時速100キロの球を投げる小学1年生が記事に載った。まだおるんや、という感じですね」といっているように可能性を秘めた研究にもかかわらず理研の幹部で研究の成果自体をもみ消そうとしているような図式。なんとも悲しい話です。もし小保方さんの研究成果が本物であったなら、論文の提出の仕方に難癖をつけずにその前にそのチームが論文の内容を精査し提出するのが本筋だと思われます。世界的な大発見になるかも知れない技術をその発表のプロセスで難癖をつけてしまった感じがします。
このような出来事はどの組織でも存在します。若者の実績やアイデアを潰してしまうようなこと。おしゃれチェーンでの場合もそうです。若者のモチベーションを維持する環境づくりはおしゃれのチェーンの将来のためにもなるし、幹部や年長者の仕事だと心得ます。さらにこの業界で仕事をすることが誇りに思えるように組み立てていかなくてはならないと思っています。
チャレンジに次ぐチャレンジ、研究に次ぐ研究を許容できる懐の深い組織に育て上げたいと思っています。