女性全体の生き方や価値観が多様化するにつれ、振袖対象者においてもこれまでの商品の価値、品の善し悪し、成人式=振袖という切り口だけでは、個々の女性の心を引きつけることが難しくなった。現に振袖買上げ時期を見てみると以前よりも早期に買上げている対象者がいる反面、成人式直前に用意する客も増えている。
過去において振袖は呉服店が仕掛けた時期に多くを販売できる体質にあった。
色や柄においても、一人が赤を着ると多くの対象者は赤にながれ、モダンワンポイントといえば多くはその方向に流れていった現状が今までにはあった。
しかし、「どんな色がよく売れていますか?」という質問とは裏腹に人の着ていない物、人とは違った柄、おまけに買う時期も個々が決め、まさに呉服店主導型の時代は終わった。
要ってみれば「あなたがたのいうとおりにはしたくない。」「買いたい時期に買いたい物(振袖)を!」「価格は自分の予算にあえばよい!」というところである。
サービスといっても呉服店横並びのサービスではサービスといえなくなってきた。むしろそれらは当たり前! 振袖販売の標準となっている。
まさに個の時代の到来、今までの切り口、大まかな分類では個々の女性の心を引きつけることが難しくなった。
つまり、「市場はお客様の頭の中にある。」そして、「その市場が個人個人別々のところにある。」である。
従って、「安いですよ!」「 いい柄がありますよ!」 では攻略しきれなくなっている。
① あなたは成人式をどのような形でしたいですか?
② 今、あなたは探していますか? いつ頃までに用意をしようとお考えですか? それともど
うしていますか?
③ 今の状況であなたの希望とする振袖が希望どおり手に入れることができますか? 私
に、とってもいい考えがあります。
④ このようにしたらいかがでしょうか? またこんな方法もあります。でもこちらの方がいい
かも知れませんね! どう思いますか?
このような展開で、けして無理をいわず、お客様の方から選択してもらうような営業の進め方がベストなのではないでしょうか?
まさに、「優しい精神科医が患者の問診を行うが如く」である。
それにしてもお客様との、信頼関係構築のための努力をまず一番先に、最優先でしなければならないが・・・・・。