振袖の反対話法「振袖は着ないから」「振袖はもったいないから」「振袖は高いから」と言うお客様からの反対話法に対して我々営業マンはなんと答えているのでしょうか。きっと「何度も着られます。」「当店では18万セットからご用意していますので。」等々と反論している営業マン、そしてそう言う反論をするようにと教育している経営者、管理職の方々はとても多いのではないでしょうか。
でもそう言う反論を聞いてくれたお客様の中で「確かにあなたの言うとおりよ!」と言って来店して買ってくれたお客様は何人いるのでしょうか。
前回のときに、セールスは価値観と価値観の交換であるとお話しましたが、売上ガほしかったら、何か違うものをお客様に提供しなくてはなりません。反対のことばかり言っていたらお客様はいやになってしまいます。そして「あなたはとてもいやな人ですね!」と言うことになってしまいます。お客様の「振袖は着ないから」「振袖はもったいないから」「振袖は高いから」と言うお客様の今の価値観がこれから先もずーとそうだと考えないことです。
こんなことはありませんか?
「うちの娘は着たがらないし、それにお金もないから」と言われていたお客様のところへ久しぶりで訪問してみると「実はこの間、買ってしまったの・・・。」 しまった!!
「熱意だけでは負けなかったのに・…。」と思う営業マンの方々は大勢います。なぜ負けてしまったのか。ただ単にお客様の価値観とあなたの価値観(売上)を交換できなかっただけの話です。すなわちお客様の価値観を知らないままに攻めてしまっていただけのことです。
多くの営業マンは入り口で負けている。
相手の価値観を引き出し、理解するには、会話というコミュニケーションが必要です。まず、楽しく会話ができる下地を作っていかなくてはなりません。そのためには、まず相手に心の扉を開いてもらうことです。●誠意●積極●思いやり など常に相手の立場に立ったスタンスを持って接することが必要です。
たとえば、「きものは着ないから!」とお客様に言われてしまったとき、皆さんはなんと答えますか?多分「いや、そんなことはありません」と、答えてはいませんか?
そうではなくて、思いきって、こう言うべきです。「最近はほんとにそうなんですよ。ほんとに着ませんからね」と答えてしまいましょう。
相手の考えていた言葉を思いきって肯定してしまうことによって、お客様の仲間になってしまうことです。そうすることによって「この人は、私の味方である。」と思うことによって本音で会話ができるようになります。そこからが本当の営業になると言うことなのです。
一見、相手の立場に立った言葉や行動は、一部の人から見れば、歯がゆかったり、積極的には映らないものですが、自分のことばかり考えた行動や考え方が、本当は余計に商売を難しくしてしまっていることに早く気がつくべきです。
振袖の営業そのものは、日常の仲間や、家庭でのアプローチとよく似ています。
友達や家族のものに何かをお願いするときには、まず、相手の機嫌を取ってから本題を話すようなことがありませんか。交渉事はすべて価値観と価値観の交換です。自分の欲求を満足させるために交換条件として相手の要求をのむ。つまり、相手にも満足してもらいながら、自分も満足する。一方的では何事もうまくいきません。
まさに共生・共栄(Win・Win Situation)です。お互いがうまくいく。その結果、お互いがハッピーな状態となる。
そのために、①心を込めてお客様の話しを聞き、②お客様のどんな意見をも認め、③熱意を持って解決してあげる④そして、絶対に諦めないことがとても大事だと考えます。
これからの振袖は、根性だけでは売れません。すぐ刈り取ろうとするから自分勝手な話法や行動になってしまうのです。
常日頃のリレーション(信頼関係構築)の積み重ねを、ためて、ためて、ため抜いて取り崩してゆく感覚で、売上と言うものができてゆく時代のような気がします。
営業でのやり方は、そのまま個人の生活の中でも生かせます。まず、周りにいる人に一度試してみてはいかがですか。