それでも我々は催事、催事と評して振袖をまとめて売ろうと躍起になってしまいます。
でも考えてみると、物事の流れが、ごく当たり前に、そして自然に向く方向にきているのではないのでしょうか。人間が仕掛けた様に物事が進んでいく時代は過ぎ去ろうとしているのではないのでしょうか。
自然の流れに逆らわないようにお客様を捉えてゆく、
笛や太鼓で踊る時代が終焉を迎え、お客様が自分の考えで感じ、行動する。お客様は我々の言葉に反応的にならず、主体的になってきたのでしょうか。一方的な話法は通用せず、むしろお客を理解した話や行動に反応してきているような気がします。こちらが売りたいことよりも、相手の自発的な行動を促すような戦略を立てていくべきです。
例えば、振袖販売は
① 売れ筋商品を見極めること。
② 商品量を数多く揃えて、いつでも見られるようにする。
③ いろいろなバリエーションをするために小物を数多く揃えること。
④ お客様に無理を言わないこと。
⑤ お客様を間接的であっても否定しないこと。
⑥ 販売する人がコーディネイトセンスを磨くこと。
⑦ 名簿を絞り込まないこと。
⑧ ひとつのやり方にとらわれないこと。
⑨ DMやハガキ・案内状をまきつづける。
言ってしまえば、こんなことは当たり前なことだと皆さんは思うはずです。でもこんな、なんでも無いことが、実はできないでいるのです。
これを人との接し方に置き換えてみますと
置き換え① 相手が何を望んでいるか常に意識すること。
置き換え② 自分の都合の悪いときでも快く迎えられる癖をつける。いつでも相手の話を理解する努力をする。
置き換え③ ひとつの出来事に対して、いろいろな考え方ができるようにする。
置き換え④ 相手の立場を認めてやる心のゆとりを持つこと。
置き換え⑤ 相手の悪いところを責めたりしない。
置き換え⑥ 礼儀正しく洗練されていること。会話術を良い意味で磨く。
置き換え⑦ 好き嫌いで接しないこと。
置き換え⑧ 外見だけで人を判断しないこと。間違っていたら違った方法が無いか探り、諦めないこと。
置き換え⑨ いつもこちらから積極的に話かける。
最近の振袖販売に必要な事柄は何でもないことなのですが、人との接し方に置き換えてみると、実はとても重要であることが解ってきます。
そう考えると、人とうまく接する技術や精神が、そのまま商売の発展にも直接つながっていると言うことが解ってきます。