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目指す仕事の完成や成就は、自分自身のミッションステートメントに従ってじっくりやって行くことが必要です。

例えば、
一月に振袖が売れない。娘が欲しがっていないから、景気が悪いから、といって売れなくなったりすることはありません。
ただ時代的には形を変え、振袖が決まってゆくと思います。
たとえば、レンタルであったりとか、平均単価が下がったりして…・。
それでも環境に対応することです。大げさに言えば、万物は進化の結果、今の姿になってきているわけなのですから。
我々の考えなければならないことは、たとえば価格が下がっても、それで十分やっていけるシステムを早急に組むべきではないでしょうか。
物がない時代は、物があれば売れた。
そして、物が豊富になってくると客は品質にこだわり、そして品質がわかってくると、その価格がいつもより安いかどうかということになってゆきます。
そして、今年!
品質が良くて、その価格が自分にあっている物を豊富な品揃えの中から選びたいという時代です。

ですから振袖は高品質(誰よりもいいものを)、低価格(そして安く)、そして人と違うものを求めてゆく時代だと思います。
お客様は、「一回しか着ないにしても、人と違ったものを!」というパラダイムなのだから当たり前だといえば、当たり前なのですが。
そういった戦略を原理原則に従って実践して行くことが大事なことだと思います。
考えてみると昔から品物は
良くて、安くて、欲しいものが売れました。

でもこれからは
① 良くて
② 安くて
③ 欲しいもので
④ 人と違ったもので
⑤ いつでも見ることができて
⑥ 親切にされて、理解されて
⑦ 安心して品定めできる環境で

というような7拍子揃った環境の中でお客様は買い物をしていくのくのだと思います。
ですから、この7つの環境の中で十分に利益を出してゆける会社であれば、我々も社員も、そしてお客様もハッピーな状態になって行くはずです。
ですから、短期的に売れなかったときこそ、基礎体力をつけるチャンス到来、そして絶好の機会と考え、長期的な見方に立って行動して行くべきではないのでしょうか。
ある本の中に「あなたの環境に対する態度は、あなたの願いと一致していなければなりません。これが環境を最大に活用する基本原則です。」と言う一説がありました。

つまり、振袖を売りたいという願いをお客様に態度で示していかなくてはなりません。振袖を売りたいという気持ちを企画にこめて、それを単純なことでも繰り返し、繰り返しお客様に提案し、行動し続けること。そして原理原則に照らし合わせながら、誰にも負けない努力をして、失敗しても絶対に諦めないことだと思います。

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我々が、原理原則を守って行動しているときでも、常に悪魔はやってきて、私達を誘惑してきます。

原理原則とは、
お客様に対して
●誠実であること
●常に明るく接すること
●心から誉めること
●やさしく接すること
●常に理解しようとすること
●小さなことを大切にすること
●約束を守ること
●間違ったときには素直に謝まること
●いつも穏やかでいること
●心をこめて話しを聞くこと
等ですが。

そして、悪魔の誘惑が聞こえてくるときとは、
○ すぐに結果が出ないとき。
○ 誠実に、熱意を持って努力をしているにもかかわらず、なかなか自分の理想とする形
に立ちゆかないとき。

そして、その悪魔のささやきとは、
○ そんなに忠実に、真面目にやらず、もっとテクニックを使った方が売上はのびるよ!
○ できるだけラクをしてやった方がいいんじゃない。!
○ そんなに自分に誠実に生きると、疲れるよ。!
○ 一度ぐらいすっぽかしても、後で謝れば済むことだから!
○ 俺は今、急がしいんだから、人の話しなんか聞いている暇はないんだ。!
○ 今月売上が欲しかったら、ここで一発!お客が表面的にでも興味をひく大きな催事を
やっちゃった方が、早く数字ができるよ! あとの事は知らないが。!
等。
このようなとき、我々は、本来のすべき大切なことを忘れテクニックを使い、原理原則に背き、行動してしまいます。

何故?
単純なことです。物事を長期的に見るか!短期的に見るかの違いです。
悪魔のささやきに耳をかすことは、それが仮にうまくいったとしても、永続しない短期的利益を追求することです。そして、真の成功とは程遠いものになります。
そして、それはバンソウコウで傷口を手当てするようなものです。
本来の根本的な原因を治すことにはなりません。
短期的に治ったとしても、また病気は再発します。そして同じ悩みが頻繁に起こってきます。

我々はよく、周りの人の話 (環境の変化)に自分自身の原理原則を見失うことがよくがあります。

人は誰でも、人間関係においても、仕事においても、一時的に良いだけよりは、ずっと良い状態が続くほうがいいに決まっています。

「安定」は「変化」の反対語です。常に安定して少しずつ良くなる方が人の心は落ち着きます。
我々は、一発逆転をいい意味で考えたりします。でも逆の考え方をすれば、一発逆転とは最高の状態から奈落の底へ落ちて行くことをも意味しています。

常にうまくゆくことは、うまくゆく様になるまでには時間がかかるということでもあります。
ですから本当にいいことを体得するには時間が必要となってくるものです。
まさに良い習慣を身につけることは、一筋ならでは行きません。むしろコンクリートにくぎを打つようでなければなりません。

絶対に抜けないくぎを打つことはなかなか大変なことです。普通の人は多分、最初の一撃でくぎの先が曲がってしまった時点で諦めてしまうに違いありません。

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「社員は、使用人ではなく共に働く同志である。」というスタンスを持って接していかなければなりません。

同志であるから、誤まりを正し、大切なことを伝え、認め、理解してやる義務があるわけです。

それは時として、非情になる場合もあるわけですが、お互いの基本的欲求を達成するために目標があることを深く理解してもらえる様、日ごろから話し合っていれば、社員の目標とトップの目標とがうまく融合し、同じ目的に向かって仕事がして行けるはずです。
振袖を売りたいのであれば、トップが「どうしても振袖を売りたい」と思うことです。そして、振袖を売ると会社はどうなるのか、そしてその結果、社員はどうなって行くのかを常日ごろから、耳にたこができるほど話すことです。「また社長は同じことを言っている。」と思われてもいいわけです。ここで重要なのは話すことが、いつも変わらないということなのです。

会社経営で大切なこと。
それはトップの経営哲学を社員に伝えぬくことです。
トップが「うちの会社は、こうありたいのです。だから目標をこのように設定して、みんなでがんばりぬいていきます。その結果、皆さんはこのようになっていくはずだし、会社もこのように発展していくはずだから、どうか皆さん共にがんばっていただきたいのです。」 というように話すことが必要です。

中国の古典に「天の時、地の利、人の和」と言う言葉があります。
私流に訳してみると、「会社経営を成功させるには、チャンスを見極め、原理原則に照らし合わせ行動し、社員が一致団結して、ことにあたること。」だと言うことになります。
チャンスをどこで見極めるか?。
以前に、ある老人から商売における最高の教えを受けました。
それは
「人間は一生のうちでチャンスが3回あります。そしてそのチャンスの神様は、自分の足元を予告もなしに通るんですよ。だから、その神様がいつ通るかが常日ごろ判る様に仕事をしていなくてはなりません。どうしたらいいかわかりますか?。 それは自分の本業を徹底して貫き、足元を見て必至に仕事をしていれば自然にわかるものなのですよ。でもその神様は、ツルツルのはげ頭のおっさんだからあっちこっちフラフラしながら仕事をしていると、その神様が、あっ、今通ったと思ったときにはもう遅いんです。急いで左手を伸ばして逃げる神様の髪の毛を掴もうとしても、毛がないもんだから掴めないで逃げていってしまうものなんですよ。」

私は、素晴らしい人生の教えを受けました。

そして、原理原則とは何だろうと考えるときがあります。多分それは当たり前のことをすることなのだろうと思います。一般の社会通念や今はやりのトレンドに基準をおくのではなく、人として何が正しいかというと大げさになりますが、ごく当たり前のことを考え、それによって行動することだと理解します。

チャンスを見極める力がつき、原理原則によって考え行動したとしても、会社経営をする場合、それだけでは、物事は成就しません。団結した人の和があって初めて最高の状態で物事が成就するのだと思います。
まさに、この中国の古典はそんなことを言っているのだと思います。

やはりこれも昔に教わったことですが
「商売をしていて一番大変なことは、人の問題です。そして次にお金です。」と聞きました。
我々は、常に人のことで苦労します。
「給料をこれだけ払っているのだからもっと成績を上げて欲しい」とか、「もっと素直に俺の言うことを聞いて欲しい」とか悩んでいる人がいます。

以前にもお話したと思いますが。人間には5段階の基本的欲求があります。

① 生存の欲求
② 所属の欲求
③ 力の欲求
④ 自由の欲求
⑤ 楽しみの欲求

つまり、給料は基本的には生存の欲求の大部分を占めています。まず自分と家族が生きていかなければならない基本的な部分です。そしてもらうお金が少し多くなってくると③の力の欲求を満たし始めます。

「あの人ってすごく稼ぐ人なんだね」 「うちのおとうさんは良く働くから給料がこんなにもらえるんだよ!」
やがて、⑤の楽しみの欲求まで満たし始めます。「欲しいものを買える。」「家族で旅行が行ける」等です。

でも、我々は本来優先順位が2番目にこなければならない所属の欲求を見落として、家族や会社の部下と接したりしてしまいます。
特に部下は認めてもらいたいのです。理解されたいのです。誉めてもらいたいのです。
自分のしたことを仲間や年上から誉められたとき、うれしくてうれしくて「よし、次はもっとうまくやってやろう」というような経験はありませんか。
部下にもっともっと注意を払うべきです。変化を見落とさず、些細なことにでも、主体的に肯定的に反応してやることです。
もっと、もっと理解するように努力するべきです。注意を払われ、気に留められていやな気分になる人間はいません。
日常の積み重ねが社員の団結を生むようになってきます。それでも気まずい雰囲気になったりすることがありますが、続けることです。

日々の積み重ねで積み上げられた団結はそう簡単には壊れなくなってくるはずです。
まさに、社員は光です。この光を集め集中すると何物でも焼き切るエネルギーが生まれます。

会社のトップは従業員の5つの基本的欲求を満足させてやる義務があるのです。
中でも大事なのは①生存の欲求と②所属の欲求なのです。
そして、まずこの2つを満足させてやるようにすれば、残りの③④⑤の欲求は次第に満足させられてくるものだと思います。

だから、この欲求を絶対に満足させてやろうと必死に思うがあまり、自然と仕事に厳しさが出てきて当たり前なのではないでしょうか。
その厳しさの中で社員が自分の将来を夢見ながら、楽しく働ける明るい地獄を作るのが経営者の仕事ではないのでしょうか。

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夕方の空気が以前よりもどことなく優しくなり、木々の新芽がちらほらと枝先に止まり、帰宅途中の車のナンバーがはっきりと見える頃、普段仕事にかまけて季節の変化にも無頓着だった私達は生きているという実感をあじわいます。気がついてみると「ああもう春なんだなあ」、とあらためて季節の移り変わりを感じます。

最近経営というものが楽しくなってきました。
それは売上ができたからとか、会社のお金がたまってきたとかということではありません。むしろ厳しい方が先なのですが…・。
経営者は今月あといくら売上を上げないと手形が落ちないだとか、いてもらいたい社員が退社するだとか悩んだりします。
でも、よく考えてみると、そのようなときでも、いい状態でいるときとやっていることは同じなのです。
むしろ気持ちだけが違うのです。辛い気持ちで問題と向き合っている自分があります。
だとすると、経営上起こる良いことも悪いことも全て自分自身のマネージメントという器のなかに入ってしまっていると考えるようにすると楽になります。
この問題は、最初から用意されていたのだと思うことです。
何かトラブルが発生したときにも、慌てず、落ち着いて行動ができるような気がします。いろいろなことは自分のマネージメントの範囲内であるということ。そう思うと問題自体が楽しくなってきます。

ここに1000万円の内部留保があるとします。
ある経営者は、この1000万円を頭の中にいれて行動します。
しかしもう一方の経営者は、この1000万円は無いものとして行動します。
どちらがいいかは決まっています。もちろんお金がないものとしてがんばって行った方がいいに決まっています。でも人間は弱いものですから気がつくと前者の気持ちに陥って日々を過ごしてしまいます。

気持ちに余裕を持つことは素晴らしいことですが、昨日の成功を持って今日の自己満足にしてしまうことほど怖いものはありません。
ここで大切になることは目標達成に生きることです。
そして、プロセスの完璧さにこだわることです。
「私の目標はここまでやりたいですが。この目標を達成するには、このようなプロセスを踏み、達成されることがむしろ私の目標である。」と自分に言い聞かせることです。
手形を落とすためにがんばることと、自分の理想に近づくためにがんばること自体の行動は、他人の目には一緒の行動に映ります。

会社の危機を乗りきったときに、また次の危機の種が蒔かれます。そしてその種が人知れず地下で育つのです。

私達は、その種に気がつかなければなりません。それは自己満足という種子です。
そして、そういった問題を最初から用意させないようにすればいいわけです。
そういった問題が起きないようにするには、緊急なことよりも、重要な事柄を常にリストアップし、日ごろから取り組む癖をつけることです。
その重要な事柄自体は、意識していないと、今の自分にとって何が重要で何が重要でないかが解りません。

つまり、目的を持って始めることにほかなりません。

目的を持って始めるから目標が生まれ、そしてその目標に対して何が緊急で、何が重要で、何が重要ではないかが解ってきます。一見、必要でなかったことが実はあとで考えるととても重要だったりします。

昔から「転ばぬ先の杖」という諺がありますが慎重に慎重を重ねることはとても重要なことです。
そして、自分の経営を理想的なプロセスに高めてゆく楽しさを味わうべきです。

二宮尊徳翁の教えに「積小為大」という言葉があります。物事は小さな積み重ねでしか大きな成果は生まれないという意味ですが、そしてその小さなことに自分の魂を込めて取り組む。
まさにそのとおりだと実感します。

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振袖の売上が年間化し始めて数年がたちました。

それでも我々は催事、催事と評して振袖をまとめて売ろうと躍起になってしまいます。
でも考えてみると、物事の流れが、ごく当たり前に、そして自然に向く方向にきているのではないのでしょうか。人間が仕掛けた様に物事が進んでいく時代は過ぎ去ろうとしているのではないのでしょうか。

自然の流れに逆らわないようにお客様を捉えてゆく、

笛や太鼓で踊る時代が終焉を迎え、お客様が自分の考えで感じ、行動する。お客様は我々の言葉に反応的にならず、主体的になってきたのでしょうか。一方的な話法は通用せず、むしろお客を理解した話や行動に反応してきているような気がします。こちらが売りたいことよりも、相手の自発的な行動を促すような戦略を立てていくべきです。

例えば、振袖販売は
① 売れ筋商品を見極めること。
② 商品量を数多く揃えて、いつでも見られるようにする。
③ いろいろなバリエーションをするために小物を数多く揃えること。
④ お客様に無理を言わないこと。
⑤ お客様を間接的であっても否定しないこと。
⑥ 販売する人がコーディネイトセンスを磨くこと。
⑦ 名簿を絞り込まないこと。
⑧ ひとつのやり方にとらわれないこと。
⑨ DMやハガキ・案内状をまきつづける。
言ってしまえば、こんなことは当たり前なことだと皆さんは思うはずです。でもこんな、なんでも無いことが、実はできないでいるのです。

これを人との接し方に置き換えてみますと
置き換え① 相手が何を望んでいるか常に意識すること。
置き換え② 自分の都合の悪いときでも快く迎えられる癖をつける。いつでも相手の話を理解する努力をする。
置き換え③ ひとつの出来事に対して、いろいろな考え方ができるようにする。
置き換え④ 相手の立場を認めてやる心のゆとりを持つこと。
置き換え⑤ 相手の悪いところを責めたりしない。
置き換え⑥ 礼儀正しく洗練されていること。会話術を良い意味で磨く。
置き換え⑦ 好き嫌いで接しないこと。
置き換え⑧ 外見だけで人を判断しないこと。間違っていたら違った方法が無いか探り、諦めないこと。
置き換え⑨ いつもこちらから積極的に話かける。

最近の振袖販売に必要な事柄は何でもないことなのですが、人との接し方に置き換えてみると、実はとても重要であることが解ってきます。
そう考えると、人とうまく接する技術や精神が、そのまま商売の発展にも直接つながっていると言うことが解ってきます。

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最近、問屋さんや、業界の人たちから、いろいろな催事の成功事例を聞かされます。そして、いろいろな経営者はその真似をして催事を組み立ててみたりします。
ところがある店は同じように成功したり、そして他の店は失敗したりします。時々そう言うことを耳にします。

なぜある店は成功し、他の店は失敗するのでしょうか。失敗した店は形を真似、成功した店は形と心を真似るからだと思います。
最近、世の中の消費者の心理は個人個人がそれぞれの価値観を持ち、そしてそれらを誰はばかることなく表現して、生きることのできる世の中になってきています。お互いがお互いの価値を認め合いながら生きていける時代が到来しているにもかかわらず、画一的な方法論だけを語り合い、その方法こそが時代の心理であると錯覚してしまっているような気がします。

経営者それぞれのパーソナリティを活かした企画の立案そしてアレンジ等、とても大事な時代になりました。

たとえば、どうしたら振袖が売れるのか等という問題は永遠のテーマであるにもかかわらず、物質的サービスを羅列して、なぜこんなにサービスをしているのに売れないのだろうか、などと悩んだりもします。それをあの店ではこんなことをやったから売れたのだ、だからそっくりそのままやってみて、そして失敗するわけです。なぜ、失敗するのかそれは形だけ真似ているからです。自分に合った工夫がないからです。
本来、振袖を多く販売する特効薬は有りません。ただただ、「誰にも負けない努力をする」しかないのです。

何かいい方法がないかな?と思った時点から転落が始まります。
立派なサービスそして素晴らしい企画、これなら絶対に売れると思いがちですが、そうではありません。企画やサービスが不十分で、会期の当日まで心配しながら営業したときのほうがむしろ、成功しているケースがあります。

そう考えてゆくとアイデアと行動とは別々の箱にしまっておいたほうがいいのだと思います。抜群のアイデアを箱にしまい、そして満たされぬ気持ちでがんばりぬく、言いかえればいつもいつもハンディを背負ってがんばる。

会社としては、最高のものを企画する義務がありますが、それ自体はむしろ行動する人にとってデメリットになる場合もあります。

昨日の成功を今日の自己満足にして行動することこそ恐ろしいことはありません。
営業したときに、心をこめて熱心に説明することしかありません。自分の会社のメリットは別の箱にしまっておいて、素手で勝負をしなければなりません。サービスで客の気持ちを捕らえるのではなく、素の自分でお客の気持ちに迫って行かなくてはなりません。すなわちパーソナリティそのものです。

もっとも、良いパーソナリティと悪いパーソナリティがありますが、

良いパーソナリティとは
①常に明るい人
②誉めてくれる人
③やさしい人
④誠実な人
⑤理解してくれる人
⑥小さなことを大切にしてくれる人
⑦約束を守る人
⑧ 素直に謝まる人

悪いパーソナリティとは
①暗い人
②文句ばかり言う人
③厳しい人
④不真面目な人
⑤自分以外を否定する人
⑦挨拶をしない人
⑦すっぽかす人
⑧謝らない人

そんなことを並べてみると、あ、これって「小学生のときに親や学校の先生から教わったこと」ではなかったのか?と気がつきます。

なぜ、何も知らないころ、最初に教わったことが、今できないでいるのかと考えるときがあります。
多分、長ずるに及んで、我や欲がピタピタと体にくっついてきてしまうからなのでしょうか。
背負うものが多くなりすぎて心が圧迫されているからだと思います。
そう考えると振袖を売るにはどうしたらいいか?商売を成功させるにはどうしたらいいのか?がわかってきます。

圧迫された心を開いて、素直な自分で、常に相手のことを考えてあげる、つまり良いパーソナリティを発露させる。(但し、このことは自分自身が満たされた状態でなければ出てきませんが…・)

このことが実は大変難しいことなのですが、自分自身のExerciseとして取り上げ、習慣となるまで訓練することが必要になってくるわけです。

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今や呉服業界にとどまらず、全産業が来るべき21世紀に対応すべく、死ぬか生きるかの最後のあがきの様相を呈しています。

時代が変わるとき・・・・・。 それはパラダイムが変化してしまうときです。過去においてもペリー来航による江戸時代から明治時代への価値観の変化、そして太平洋戦争を境にした戦前と戦後の意識の変化など、前の時代の正しいことが正しくなくなり、以前どうでも良かったことがとても必要なこととなってきています。

そして今、急激な経済的なパラダイムの変化

パラダイムという言葉は、最近よく使われ出しているように思われますが、この語源は、古くはギリシャ語に由来し、理論・知覚・既成概念・仮定というような意味があります。一般的には我々が世界を見る見方であり、私たちの認識・理解・解釈を決めてゆくものです。ですから同じ事実がパラダイムの違うことで、違う意見を持ち、その両方共正しいということがあり得るわけです。そして、各自のパラダイムは、経験や家族・学校・会社・友達・宗教・社会通念によって変化してくるわけです。ですから、それが、人それぞれの行動や態度の源になってくるということを肝に銘じて覚えておかなくてはなりません。

私たちは、世界をあるがままに見ているののではなく、私たちのあるがままに(条件付けされたままに)世界を見ているわけです。つまり、自分自身のパラダイム(レンズ)を通してみているのです。

いよいよ、振袖が始まりました。
ご承知のように、以前とは違い、正月にまとめて売れるとか、一月に振袖が以前より売れなくなったからといって、年間で売れなくなるということではありません。もっと、根の深い部分、対象者の考え方の違い(以前の我々の考え方と比べ)が最近の振袖購買状況となっているのだと思います。

確かに、1回もしくは2回しか着ない着物となってしまった振袖ですが、それでも我々きものを扱うものにとって、振袖というのはとても魅力的な商品であるという事実は否めません。

だから余計に振袖の顧客の心理を考えていかなくてはなりません。
社会のパラダイムの変化につれて、人々の価値観も変化してきています。

どの様に変化してきているかといえば、
● 振袖は一回しか着ない。
● 一度だけなら、レンタルでもかまわない。
● もし買うとしても、自分に似合うものを探したい。
● お店の人に、お世辞を言われて買いたくない。
● センスのいいあわせ方がしたい。
● 買う時期は、自分で決めたい。
● とにかく、無理やりはいやだ。
● どことは決めずに、いろいろ見て、納得して買いたい。選びたい。
● 一年も先なので、ゆっくり選んでもいいでしょ!

ところが、呉服店のパラダイムは違います。
● 何回も着られます。
● 本当は、貸衣装ではなく、買ってもらいたい。
● お金のためなら、似合わないる振袖も、似合うといってしまおう。
● 相手の予算はどうあれ、とにかく高いものを薦めよう。
● とにかく、ほかで買われては困るので、来店したときに売ってしまおう。
● 早くしないといい柄がなくなってしまう。
※ この場合、私がお客であったならこう言い返します。「お宅では、少し売れると、すぐにいい柄がなくなってしまう位しか数がないのですか?」

それでも、売りたい、売りたい、売りたいのである。

お客様の購買心理は、最終的には感情です。どんなに論理的につじつまが合っていても、最終的には「感じがいいから」、「親切だから」、「誠実だから」、「私の話を理解してくれた」から買ってくれるのです。
そして、物質的なサービスの領域を越えたところで購買契約が成立するのです。

先日、こんなお客様が来店しました。
いろいろと他の店を見て回った後に、当店でブルーのきれいな振袖を見つけたわけです。本人は他の店のどの振袖よりも、当店の振袖が気に入ってしまいその振袖にしようと思っていたのですが、母親の希望により「もうちょっと考えてから」と言い、その日は契約までには至りませんでした。後日、お宅へ訪問し、先日見立てた柄をお見せしたところ、やはり、本人はもうこの柄にしたいと切望するわけですが、母親がどうしても赤い色の振袖を着せたくって着せたくって、どうしても譲れない様子でした。おまけに当日のヘアースタイルまで母親が決めようとしていたわけです。結局ローンまで書いて帰ってきたわけなのですが、次の日、母親から電話が入って「一月十五日の成人式を私が見てから決めますので、その日まで待ってください!」という結果になってしまいました。( 当然快く、結構ですよ!、と言って受話器を置いたわけです。)

ここで、私のお話したいことは次の2つの考え方です。
① どのような状況であろうと決定するのはお客様であるということ。
② しかし、これほどまでに相手(娘)のパラダイムを認めない人(親)がいるということ。
ですから、②の結果として娘は、泣き出しそうな顔をし、大喧嘩が始まる寸前のように感じました。
私は、この経験からいろいろなことを学びました。

まず、母親の気持ちで考えると、こうなります。
「この子は、いつも自分勝手で、私の言うことを聞かないで育ちました。だから成人式のきものくらいは、悪いけど1から10まで私の気に入ったようにさせてもらうわよ!、いいわね!」

そして、娘の気持ちで考えると、こうなります。
「一生に一度の成人式なのに、自分の好きな振袖でお祝いをしたい。もちろんお金は、お母さんが出すにしろ、それぐらいは娘の特権でしょ!. それに私はもう子供じゃありません。」

つまり、価値観と価値観の戦い

お互いが自分のパラダイムを人に押し付けあっているわけです。
こんなときどちらかが相手を理解することが必要になってきます。
このレンズとレンズの違いは、呉服屋と顧客との間にも繰り広げられているのが、現在の状況であると考えたほうが、どうも、良さそうな気がします。
自分を理解してもらいたかったら(商品を売りたかったら)、まず相手(お客)を理解してやることです。

まず、お客様の状況、意見、考え方を理解することが販売の第一歩となります。誠実さを持って理解することに集中することです。そういったプロセスの中から必ず、お客がこちらを理解し始める瞬間が出てきます。その状況になったらもうしめたものです。こちらの価値観と相手の価値観とが融合して第三の価値観つまり相乗効果という産物が生まれてきます。そしてお客様も満足、我々も満足という状況に至るわけです。

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今までは接客の心構え、販売時の心構え、そして話法を作るときの根本的なフレームなどを間接的にお話してきたつもりですが、最終回にあたり今回は振袖対象者の名簿の絞り込み方について考えていこうと思います。

私は、この客を絞り込むとき、そしてどの客に営業を続けていくのかを「80対20の法則」を取り入れて考えて行ってはどうかと思うのであります。

「80対20の法則」とは、別名「パレートの法則」とも言われ、投入、原因、努力のわずかな部分が産出、結果、報酬の大きな部分をもたらすという法則です。
たとえば、「我々がなしと遂げる仕事の成果の80%は、費やした時間の20%から生まれる。」ということなのです。

投入と産出、原因と結果、努力と報酬の間には、どうにもできない不均衡があり、その不均衡の割合はおおよそ80対20なのである。

会社の売上の80%は20%の社員で出来上がっているし、総売上の80%は20%の顧客によって作られているということなのです。もちろん自分の仕事の成果80%も稼働時間の20%の時間で成し遂げられているということ、営業マンのその日の成果80%は、20%の時間あるいは仕事の、上位20%のプライオリティであげられている。……・・ということなのです。

振袖の場合にも、この「80対20の法則」が成り立つのではないでしょうか。
「圧倒的に影響力を持つ少数とほとんど影響力のない多数」
つまり、通常一店舗の振袖の対名簿買上率は低いところで3%、高いところで10%ぐらいだと思いますが、ここに「80対20の法則」を当てはめていった場合、目標枚数を100枚として
1000件の名簿の20%、つまり200名の顧客を「圧倒的に影響力を持つ少数」と言う考え方で戦略を組み立てていってはどうかと言うことなのです。
その200名の対象客の中から、結果として年間販売枚数100枚の店であれば、80名の買上客が出てくるということなのです。

そして残りの20枚は、後の800名の名簿の中にあるわけです。ですからその200名の対象客に徹底的な営業活動(経費と時間)をとって行くということなのです。
しかし、その200名を探すことはとても難しいように思えますが、私は、そんなことは無いと考えます。

たとえば、ゴルフをしに行ってショートホールでワンオンしたボールだけを集め、真剣にパットの戦略を練るということにも似ています。
どのボールがグリーンに乗っているのか、グリーンからこぼれそうなボールまで含めて数えてみることです。

もし、営業が下手でも、すべて訪問した結果、上位20%の客をリストアップしてみることです。必ずその中に年間売上枚数の80%の客が入っているはずです。
そして、200名の客の中から80枚を売るということなのです。「来年の一月までには、多分振袖を揃えなくてはならない、と考えている顧客の中で、コミュニケーションのとれている200名」の中から40%の80人に振袖を、一年間かけて販売するのだと考えてみることです。

そこそこ情報の取れた対象者の攻め方を一人一人について研究してみることです。
○ 明日来てもらうのに今日訪問しておいたほうが良い客なのかどうか。
○ なかなか来店してくれない客のホットボタンは何か?
○ いつ頃揃えようと思っているのか。
○ 何が購入を遅らせているのか。
○ 誰がお金を出してくれるのか。
○ 競合店はあるのか。どうか。
○ 持ち出し販売のほうがいい客なのかどうか。

特に振袖に対する関心度と自分(店)に対する好意度とに分けて分析してみると上位20%の客を見分けやすいと思います。

そして次のようなこともチェックしてみることです。
○ 家が立派。
○ 親子のコミュニケーションがとれていそう。
○ 以前、母親、祖母が当店で買い物をしたことがある。
○ 家の中がきれいに片付いている。
○ 振袖には否定的だが話を聞いてくれる。
○ 営業中に電話が入ったが、すぐに切って話を聞いてくれた。
○ 座って話を聞いてくれた。
○ 座布団が出た。
○ 夕方の台所仕事の火をとめてくれ、話を聞いてくれた。
○ 父親、祖母が協力的。
○ 玄関を出たとき暗い庭先に電気を灯してくれた。
○ 挨拶をきちんとしてくれる。
○ 何度行っても好意的
等々、数え上げればきりがありません。

そして、もし、残りの80%の中から買上客が出てきてしまっても、それにとらわれてしまってはいけません。

本来、名簿のすべての人に100%の営業をすることは不可能なのです。それよりも「圧倒的に影響力を持つ少数」の20%の客に余った時間のすべてをかける努力をしたほうがいいに決まっています。

名簿のすべての人に販売するのだという気持ちは解りますが、考え方を「80対20の法則」で考えてみると、おのずと、どのくらいの客に、何をどれだけ力を入れていけばいいのかが判ってきます。

そして、時間とお金という資源を有効に使って最大の効果を引き出して行くということになるわけです。

ただ営業をダラダラとするよりも、この客は80%の客か、それとも20%の客か見分ける努力をするだけでも、売ることだけを考えた営業活動よりも、何か意味のあることだとは思いませんか?。そして20%の客にRWDEPメソッドを使った営業活動をして行くべきだと考えます。

でも、勘違いしてもらっては困ります。第1訪及び第2訪の営業をしぬいてみてから上位20%の客を選んで行くということです。間違っても名簿を見ただけで周り易い地区だとか、過去において売れた地区だとかというだけで上位20%を選ばないようにしてください。

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振袖の反対話法「振袖は着ないから」「振袖はもったいないから」「振袖は高いから」と言うお客様からの反対話法に対して我々営業マンはなんと答えているのでしょうか。きっと「何度も着られます。」「当店では18万セットからご用意していますので。」等々と反論している営業マン、そしてそう言う反論をするようにと教育している経営者、管理職の方々はとても多いのではないでしょうか。
でもそう言う反論を聞いてくれたお客様の中で「確かにあなたの言うとおりよ!」と言って来店して買ってくれたお客様は何人いるのでしょうか。

前回のときに、セールスは価値観と価値観の交換であるとお話しましたが、売上ガほしかったら、何か違うものをお客様に提供しなくてはなりません。反対のことばかり言っていたらお客様はいやになってしまいます。そして「あなたはとてもいやな人ですね!」と言うことになってしまいます。お客様の「振袖は着ないから」「振袖はもったいないから」「振袖は高いから」と言うお客様の今の価値観がこれから先もずーとそうだと考えないことです。

こんなことはありませんか?
「うちの娘は着たがらないし、それにお金もないから」と言われていたお客様のところへ久しぶりで訪問してみると「実はこの間、買ってしまったの・・・。」 しまった!!
「熱意だけでは負けなかったのに・…。」と思う営業マンの方々は大勢います。なぜ負けてしまったのか。ただ単にお客様の価値観とあなたの価値観(売上)を交換できなかっただけの話です。すなわちお客様の価値観を知らないままに攻めてしまっていただけのことです。

多くの営業マンは入り口で負けている。
相手の価値観を引き出し、理解するには、会話というコミュニケーションが必要です。まず、楽しく会話ができる下地を作っていかなくてはなりません。そのためには、まず相手に心の扉を開いてもらうことです。●誠意●積極●思いやり など常に相手の立場に立ったスタンスを持って接することが必要です。

たとえば、「きものは着ないから!」とお客様に言われてしまったとき、皆さんはなんと答えますか?多分「いや、そんなことはありません」と、答えてはいませんか?
そうではなくて、思いきって、こう言うべきです。「最近はほんとにそうなんですよ。ほんとに着ませんからね」と答えてしまいましょう。

相手の考えていた言葉を思いきって肯定してしまうことによって、お客様の仲間になってしまうことです。そうすることによって「この人は、私の味方である。」と思うことによって本音で会話ができるようになります。そこからが本当の営業になると言うことなのです。
一見、相手の立場に立った言葉や行動は、一部の人から見れば、歯がゆかったり、積極的には映らないものですが、自分のことばかり考えた行動や考え方が、本当は余計に商売を難しくしてしまっていることに早く気がつくべきです。

振袖の営業そのものは、日常の仲間や、家庭でのアプローチとよく似ています。
友達や家族のものに何かをお願いするときには、まず、相手の機嫌を取ってから本題を話すようなことがありませんか。交渉事はすべて価値観と価値観の交換です。自分の欲求を満足させるために交換条件として相手の要求をのむ。つまり、相手にも満足してもらいながら、自分も満足する。一方的では何事もうまくいきません。
まさに共生・共栄(Win・Win Situation)です。お互いがうまくいく。その結果、お互いがハッピーな状態となる。

そのために、①心を込めてお客様の話しを聞き、②お客様のどんな意見をも認め、③熱意を持って解決してあげる④そして、絶対に諦めないことがとても大事だと考えます。
これからの振袖は、根性だけでは売れません。すぐ刈り取ろうとするから自分勝手な話法や行動になってしまうのです。

常日頃のリレーション(信頼関係構築)の積み重ねを、ためて、ためて、ため抜いて取り崩してゆく感覚で、売上と言うものができてゆく時代のような気がします。
営業でのやり方は、そのまま個人の生活の中でも生かせます。まず、周りにいる人に一度試してみてはいかがですか。